Coffret Style Buyer's Blog vol.11

Bonjour, Coffret Style
〜フランス好きの原点 Part1

こんにちは!
2023年春、ようやく海外旅行に行きやすくなりましたね。
コフレスタイルの多くのブランドの故郷フランスでも、日本からの旅行者が増えているのだそう。
フランスの中でもパリは、やっぱり文化、歴史、アート、ファッション、食などなど魅力あるものがたくさん詰まった街。私も約25年間ずっと飽きることなく魅了され続けています。

パリの街

ぬいぐるみと共に過ごした幼少期が大きなきっかけではありますが、成人し、完全に心を奪われたのは、ココ・シャネルという人物を知ってから。

機能性と華やかさを両立させたあの有名なシャネルスーツ、両手を自由に使えるようにしたチェーンストラップのショルダーバッグなど、これからの活動的な女性のためのスタイルを直感で察知し、作り、普及してきた彼女。
人生を通して新しい、しかし100年ほど経った今でも愛される普遍的なスタイルを提案し続けた、そんなものづくりへの姿勢に惹かれるのです。(シャネルが亡くなった年に私が生まれていることにも、運命を感じずにはいられません。)

シャネルの人生を深く知るには、彼女が生まれた時代、「ベル・エポック」の理解が欠かせません。
ベル・エポックは、19世紀末から第一次世界大戦までのパリが著しく繁栄した華やかな時代のこと。この時代について学ぶにつれ、私はますますフランスのなかでも特にパリに魅了されるようになりました。

パリの街

この時代を興味深く、少しコミカルに描いた映画が『ミッドナイト・イン・パリ』。

小説家を目指してパリに旅行に来ているアメリカ人のギル。ある晩、街で迷子になっているところに現れた車に乗り込むと、なんと1920年のパリにタイムスリップ!ヘミングウェイやピカソなど敬愛する偉人たちと出会い…

パリの街並みにワクワクするストーリーを乗せた、とても洒落ていて面白い映画です。
馴染みの風景が次々と現れ、パリの風、香り、音などを感じられるくらいに引き込まれました。

この映画の面白い点が「永遠に続く懐古主義」。
現代を生きる人はベル・エポック、ベル・エポックを生きる人はルネサンスに憧れるというように。
ついつい懐古してしまうのは現代の私も同じ。
しかし同時に、「パリで生きる人々の美や人生へのこだわりはいつの時代も変わらない」そう思わされるのです。

変わらない文化が現代にも続いているからこそ、パリは我々を惹きつける。人との関わりの中で感じたり、街を歩いているだけでもそう感じます。
現在のパリの街並みは、人々の美への追求からできたものですものね。
そんな文化や歴史を全身で感じさせてくれるパリが、好きで好きでたまらないのです!

パリの街

私の生きる時代が過去のものになったとき、フランス文化を紡ぐ人の1人となれているのか?
少し大げさかもしれませんが、商品を届けるものとして大切にしたい視点です。

『ミッドナイト・イン・パリ』、ぜひ一度観てみてくださいね!
ベル・エポックが舞台のおすすめ映画はほかにも。別の記事でお話しさせてください。

PS:
昨年9月のパリ出張にて、同僚がリサーチしていたレストランに案内してくれました。その出張は終始慌ただしいスケジュールでヘトヘト。日本に帰って出張を振り返っているときにはっとしたのです。
レストランへの道中、気づかない間に『ミッドナイト・イン・パリ』で最も印象的な場所、「サントジュヌヴィエーヴ広場」を通っていたのです!ギルがタイムスリップする車に乗り込むあの階段前の広場です。
博識な同僚は『ミッドナイト・イン・パリ』の名所と分かっていました。教えてくれてもよかったのに!責めずにいられなかったことは言うまでもありません…。

様々な映画の舞台となるパリは名所だらけ。これまでも多くの場所を訪れました。しかし、ギルのようにベル・エポックにタイムスリップしてみたい私にとって、この広場は憧れの場所の1つでした。
どんなに疲れていても、パリを歩くときは街並みを堪能したいと感じた経験でした。