健康なお口を、一生の贈り物に ~キレイな歯並び編



「歯科医は1歳半検診で初めてお子さんの歯の状態を確認します。ところが歯科医として、この年齢でお子さまの口腔内を診ても遅いかもしれません」。歯科医の飯塚能成先生がそう語るには理由があります。

「そもそも授乳は、栄養補給や親子の絆づくりはもちろん、エネルギーの取り口である口腔の成長を促し、健康なお口の機能をつくる基本です。そしておっぱいを飲む時に赤ちゃんが正しく舌やあごを動かすことで、歯を支える骨がしっかり成長し、歯の土台がつくられます」。
そう語る飯塚先生は、子どもの健康的な歯並びのためには、保護者が両親学級など早い段階で、授乳と歯の発育の関係を知ることが大切だと言います。
「健康な歯はそこから育ち、やがて歯と舌や唇の動きが相互に働き合い「発語」へとつながります。赤ちゃんが言葉をしゃべる過程は、まるでひとつの楽器が作られていくようです」。
だからほ乳びんやおしゃぶりなどを使う際は、母乳による直接授乳と同じように、正しく舌やあごを動かせる乳首を選ぶことが必要なのです。そのカタチが赤ちゃんの口の中でのお母さんの乳首に近いものなら、あごや舌の運動を促す「口腔トレーニングツール」として活躍します。

「ところが、傾けるだけでミルクがどんどん出てくるほ乳びんや、形状の悪いおしゃぶりなど、赤ちゃんの正しい舌の動きを促さない製品が市場に出回っています。これでは正常なあごや歯並びの形成はされません」。(飯塚先生)
将来の子どもの歯並びの土台をつくるおっぱい。授乳が持つ役割を見直しながら、本来サポートするはずの育児グッズも、しっかり見分ける目が親には求められるようです。わからない時は歯科医や専門家に相談を。



INTERVIEW 飯塚 能成(いいづか よしなり)先生
歯科医。『飯塚歯科医院』院長。一般歯科医療の他、摂食・咀嚼・嚥下を専門とし乳児の哺乳指導から高齢者や機能障害者の義歯治療、嚥下機能改善の治療に実績がある。口腔と体の健康を考える『IPSG包括歯科医療研究会』会長。