遊ぶように学ぶことのススメ ~未来を生きる親子学(前編)



「遊びと学びは本来一体のもの」。子ども向けの創造・表現活動を推進するNPO法人「CANVAS」を設立し、代表をつとめる石戸奈々子さん。これまでに開催したワークショップは 3000回、約50万人の子どもたちが参加しています。石戸さんが考える「遊びと学び」についてたずねました。

私の遊びの原体験は、科学館に通うことでした。大人からみると知的好奇心を育む場ですが、子ども心としては単に「楽しい場所」、「好奇心を刺激する場」。それが発端となり、STEM的(科学・技術・数学的領域)なものへの興味が芽生えることになりました。
仕事を通じてたくさんの子どもとふあい、私自身も育児して感じることは、子どもにとって日常生活というのは、すべてがラボなんです(笑)。
ここあけてみたらどうなるんだろう?ここを開けてみたらどういう反応するのだろう?ここに水を流してみるとどういう動きをするのだろう?
日常生活での遊びの中に「?」と思うことがたくさんあって、それを探ってみようと思う原動力が、学びのモチベーションのきっかけになると思います。
これを学びましょう、と促されるより、様々なものにふれあい感じるなかで、学びが形成されていくのがいいですね。すべての人間にある知的好奇心。それを探求する行為は、本来すごくエキサイティングなのです。日本の文化の中に、俳句というものが遊びと学びが一体化しているものでしたが、元来人間ってそういうものだと思うのです。しかしいつの間にか、遊びと学びが分離されて、学びがつらく苦しい鍛錬のようなイメージになってしまいました。

学ぶことが楽しいと発見できること



これからの時代って、今まで誰もが経験したのことのない、めまぐるしく変化する時代を大人も子どもも生きていきます。それまでの常識が10年後は非常識になってしまうかも知れない。だからこそ生涯学び続ける力がすごく大事になる。だとすれば、それを実現する一番の方法って、学ぶことは楽しいんだと思えることだと思うんです。

「遊べるように学べること」。子どもたちは、そういう経験を小さい時にたくさんしてくれるといいなと思いますよね。
遊び方次第でいろいろな使い方ができる価値のある玩具が、私はクリエィティブだと思います。子ども自身が遊び方を見つけると思うので、その可能性がある玩具はいい玩具だと思いますね。テグにはそれがあると思います。子どもは言われた通りには遊ばないですよ。 普通の積み木じゃない、Teguだからできるこのカタチを、不思議だなと面白いなと思えることが、一番大事だと思います。「落ちちゃうはずじゃん、でも落ちないよコレ」という発見ですね。それが学びを形成していくのだと思います。

Teguブランドサイト 石戸奈々子さんインタビュー
「“テグ”はイマジン(想像)したことを、リアライズ(創造)できる玩具」

INTERVIEW 石戸奈々子(いしどななこ)さん
NPO法人CANVAS理事長/慶應義塾大学教授
東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、子ども向け創造・表現活動を推進する NPO「CANVAS」を設立。その後、株式会社デジタルえほんを立ち上げ、えほんアプリを制作中。総務省情報通信審議会委員、デジタル教科書教材協議会理事などを兼務。著書に「子どもの創造力スイッチ!遊びと学びのひみつ基地 CANVASの実践」など。